蚯蚓出《みみずいづる》
「端午の節句」は端午の文字どおり月の初めの午の日であったのが、中国の重日思想(月と日が同じ陽数で重なる日を佳日とする)を取り入れ五月五日となったそうです。
旧暦ではこの節句は梅雨に入る六月頃にあたり、湿潤な気候のせいで疫病がはやり始める時期でもあり、菖蒲の強い匂いが疫病をもたらす害虫、邪気を寄せつけないとのことから軒に「菖蒲、蓬」をさしてこの節句を迎えました。
懐石の後には「蓬の金団」、昇一楼自家製にて用意いたしております。
柏の葉はお料理で使いますので、「山帰来」の葉にて端午の風情を感じていただければと演出いたしました。
関西より西では、柏の葉が少なく柏餅にこの山帰来の葉が代用されるところも多いと聞いております。
名称は、サルトリイバラ、実は毒消しと言われ、山に入り毒消しに実を食べて帰ってくるという事から山帰来と呼ばれたとの事です。