桐始結花《きりはじめてはなをむすぶ》
土用はぜ
黒ハゼでございます
土用 とは 立春、立夏、立秋、立冬の前十八日間を言い、それぞれ、立春前の「冬の土用」立夏前の「春の土用」立秋前の「夏の土用」立冬前の「秋の土用」となるようでございます。
土用の丑の日の鰻・・・にて夏の土用が一番おなじみかと存じ上げます。
土用には様々な禁忌〔きんき〕があります。例えば土用中に土を犯すことは忌むべきこととされていたため、土いじりをしてはいけない、丑の日に大根の種をまいてはいけない、葬送は延期しなければならないなどの禁忌が設けられていました。
これら土用にまつわる禁忌が生み出された背景には土用中は季節の変わり目であるために、農作業などの大仕事をすると体調が崩れやすいなどの、先人の戒めが込められていると言われております。
この時期に旬を迎える瀬戸内海の「黒ハゼ」、鮮度がよければきれいな透き通った身にお目にかかれます。
小さめの魚ですが骨がシッカリしておりますので、小骨は丁寧に抜いて下処理をいたします。
淡白な味わい故、天ぷら、唐揚げなど定番ですが、頭と中骨などで大変おいしい出汁がとれますので(白焼した後、昆布と共に)その出汁を使い、牛蒡と共に「黒ハゼの柳川」を楽しんでいただきます、おなかの中に入っている子を入れて、少々実山椒を効かせてあります。
黒ハゼは「ツボ縄漁」という特殊な漁方でとるらしいのですが、またの機会に・・・