温風至《あつかぜいたる》
梅の土用干し
梅雨が明けると梅の土用干しです、天候にもよりますが大体三日ほどお日様に照らしながら干し上げます。
一日ごとにひっくり返しまんべんなく太陽の恩恵をいただいたのちに壺に入れて寝かせます。
シワになったり破けたりするものも多少は出てまいりますので、別にしておき玉酒で煮込んで塩分など梅のとがった風味の角を取り梅醤(うめびしお)を作ります、梅を炊いた玉酒の方は味を整えて煎り酒として調味に使います、この煎り酒にて昆布締めの白身魚を食べる古式な方法もあります、醤油の貴重な時代の名残と思われますが。
「玉酒」とは水で割った日本酒の事でございます、料理の言葉で「玉」とはだいたい水を意味するようです。
鱧に梅醤(うめびしお)