玄鳥至《つばめきたる》
奈良時代から平安時代にかけては、特に上流社会の風習として梅を観賞して楽しむ梅花宴が盛んであったといわれます。
しかし、現代では「花」・「宴」といえばやはり「桜」。
お花見の時候にて料理の方も華やかに春めいてまいります。
写真は、この時候の茶事懐石から「煮物」と「引重」を紹介いたしました。
「引重」、古い会記などには「引物」などと記されているものもあるようでございますが、茶事懐石には欠かすことのできない二段の重箱でございます。
下段に焼物、上段に香の物と古くからの慣わしのようでございます。
焼物には、この時期旬の「桜鱒」、煮物には自家製の「鴨の麩饅頭」にて春の一会をお楽しみいただきました。