小雪初候

花の方もこれから冬至、大寒と寒くなるに従いほぼ椿一色になってまいりますが、まず我が家の咲き始めは初嵐でございます。
時候がら、ふくべを以て「初嵐」をお披露目いたしお楽しみいただきます。
お料理の方は今の時候、晩秋の点心でございます。
「点心」とは「空心に点ずる」との禅語からきた言葉らしく本来は食事の間に取る簡素な食べ物の事だそうです、今の時代では懐石・点心ともに本来の意味合いからは少々かけ離れずいぶん贅沢になってきているようでは有りますが、それも時勢でございます。
江戸時代までは1日2食、明治からの西洋文明の恩恵?にて3食になったようですが、お昼の簡単な食事を「点心」と銘打って提供させて頂いておりますのも何となく納得していただける事と思っております。
先日、昇一楼にお任せ頂いた茶会での点心でございます、亥の子の前日でしたので、次第は紅白の結びにてイチョウの葉をあしらい「お玄猪」を表現いたしました、ご来客の皆様に楽しんでご理解いただけたかどうか、「花より団子」にて料理を美味しく楽しんでいただければそれで上等でございます。
この辺りが、作り手にとっては密かな楽しみ・・・がございます。