山茶花始開《つばきはじめてひらく》

椿は「初嵐」、本年は結構早めに咲いてくれました・・・
晩秋の味わい「紫葉漬」でございます。
梅雨から真夏にかけて漬け込んだ梅干しの恩恵を受けて秋口には紫葉漬を仕込みます。
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茄子、胡瓜、茗荷、生姜、伏見唐辛子等夏の名残り野菜を主に使ってまずは塩漬けです。
本年漬けた梅干しの紫蘇を混ぜ込み熟成させて仕上がります。
siba_03しばらくおくと熟成され美味しくなってまいります。 出来上がりの時期はその年の気候により、あまり暑いと塩漬けの段階でいたんでしまうためある程度気温が下がった頃を見計らっての作業となりますが今くらいの時期になれば新紫葉漬としてお客様にお出しできる物に仕上がります。 本来「香の物」とは懐石の菜の一つに数えられていたものですが、昨今ではご飯に付属する添え物のような軽い扱いにされてしまっている感があり、残念な事です。
漬物(香の物)こそ季節の歳時があり日本の食卓には欠かせないものであったはずですが、昨今では生野菜、野菜サラダに座を奪われたようでございます、四季折々の「香の物」をご賞味頂き、季節のある日本に生まれた事を喜び、お楽しみいただければと思う次第でございます。
siba_04秋の香の物、名残り野菜の紫葉漬に出始めの小さいかぶらの浅漬け、昆布、蕪の葉など添えてございます、器は伊勢崎紳作、香の物鉢。