水泉動《しみずあたたかさをふくむ》
曙椿が咲き乱れ、太神楽もちらほらと蕾をつけ新しい年を寿いでくれている様子でございます。
早いもので初嵐がやっと膨らみ炉の時候になったかと思えば年末はお節料理の準備にあたふたと追われ年明けを迎えてしまう例年どうりのあわただしい日々でございますが「忙中閑あり」と言われます通り一年のいろいろな反省が頭に蘇り、また新しい年の指針が雲のようにわいてまいります、しかし・・・思うは易し行うが難し・・・なかなか思うようにいくものではなく、反省のための一年をまた始動するわけでございます。
本年も宜しくお願い申し上げます。
開店当初に店の裏に植えた曙椿ですが17年の年を経て大変大きくなりました。
年末、31日の夜明けを目指して作り続けるお節料理でございます、昇一楼では伝統的な形に倣い、「祝肴(口取)」「焼物」「酢肴(生鮓)」「煮〆」との構成で作っています。
本来はこの四重に詰め替えなどの控えの折を重ねて五段とするのが本式と聞いておりますが、私どもでは五〜六人前を三段重に少々縮めた形にて提供させていただいております。