地始凍《ちはじめてこおる》

野路菊に榛を添えて入れました、今が旬の取り合わせかと思います。
茶の湯では炉開すれば椿を入れるとお決まりのようではございますが、自然はそう一筋縄では参りません、そういう時には一工夫にて・・・いかがでしょうか?
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六味の調和
日本料理の味わいには「苦味」・「酸味」・「甘味」・「辛味」・「鹹味(塩のからみの味)」の五味が取り上げられますが、永平寺開山の道元禅師は典座(禅寺にて料理を担当する役職)の教えにて、この五味に淡味を加えた六味を調和させて料理することが肝要と唱えられました。
淡味(淡い味わい)とはその素材から出てくる旨み、滋味であり、それを大事に生かすための味の工夫が調味となります。
日本料理では素材に対する味付とは少々異なり、素材の味を活かすべく鰹や昆布、醤油、酒、塩などの力を借りて素材自体の持ち味を生かすように調えていく「調味」が本来の手法でございます。
胡麻から、旨味を十分に絞り出して吉野葛、水、塩だけで練り上げる胡麻豆腐、余分な物を加えず白胡麻だけを使って丁寧に絞り込んでつくった胡麻豆腐はまさに「淡味」「滋味」などの言葉がぴったりと当てはまる一品に仕上がります。