楓蔦黄《もみじつたきばむ》
暦の上では本日は亥の子でございます。
亥の月・旧暦10月の最初の亥の日、亥の刻(午後9時~11時)、このときに多産な猪にあやかりたく新穀でついた「亥の子餅」を食べ、無病息災を願い子孫繁栄を祈る行事がございました。
また、茶の湯の上でも、「亥の日」に炉開きを行うことも多々あるようで「亥の子餅」は茶席の菓子としてよく知られております。
古来からの日本の歳時、所作、行事・・・などを伝承していく上で茶の湯という文化は大変貴重なものと思います。
陰陽五行によると、十二支の一つ「亥」は水性にあたり、古くは亥の月の亥の日に火鉢などに最初の火を入れると火事になりにくいと言われていたらしく、この日に炉を開くのも大変理にかなったように思われます。
写真の料理・・・最初にお出しする料理には特にその事項の季節を感じていただきたく、海老芋にて亥の子餅に見立てた山椒焼を向付の柿膾に添えたものです、紅白の水引と庄内麩のイチョウの葉は「御玄猪」の風情でございます。
日本には五節句があり雑節があります、そして「亥の子」のような古来からの生活行事もございます、その全て一つ一つに深い意味合いを感じ、又、大事に表現できればと考えております。
「竜脳菊と水引」ちょっと今年は早く咲いたのか、例年では葉が紅葉しかけて花が咲き大変コントラストが綺麗です、本年は葉はまだ緑のままです。