紅花栄《べにばなさかゆ》
瀬戸内海での初夏の味わい「真鯒(マゴチ)」でございます。
たいへん淡白な味わいの魚ですが、「洗い」に造る他、「薄造り」なども喜ばれます。
アラからはたいへん上等なだしがとれますので、「丸仕立」として煮物椀にもいたします、「鯒の丸仕立」すっぽん仕立とも言われ昔からある古典的な料理でございます。
料理法ですが、アラから昆布を使って出汁を引き出すのは「潮(うしお)」と同じですが、その時にお酒を使い生姜で仕上げるのがこの料理の所以でございます、スッポンの仕立て方と似かよる事により「丸仕立」と呼ばれているとききます。
少々厚めにそぎ切り、「洗い」にして表面だけカリッと締め込み、梅肉醤油で召し上がって頂く、その食感は梅雨のじめじめを吹き飛ばしてくれるようにさえ感じられます。